きりしまについて

 日本で初めて国立公園に指定された霧島連山の標高700m付近に、泉温66℃で自然湧出している温泉水を採水しているのが天然アルカリイオン水「きりしま」です。この湯の自然湧出している環境たるは、雄大かつ厳かで時の流れをも巻き戻してしまうかの様な錯覚に陥るほどの自然に満ちています。
 その昔、薩摩藩第19代藩主島津光久がこの湯の湯治場を築くよう命を下したとも言われており、侍たちの刀傷や病を治すのにつかわれていた事がうかがえます。実際この山に生茂るのは天然の椿や樫、黄檗などでまた薬草として名高いドクダミや蓬も多く自生しています。
 今とは違い、現代の様に車があるはずも道があるはずもない時代より、この不便な山奥の地にこの湯を求めて多くの人達が様々な地から訪れていたそうです。この「きりしま」が湧き出している場所に「常盤」(永遠に枯れないの意)と刻まれた石碑があり、お湯を汲んだ人達がお供えをしたり、お金を置いて帰ったそうです。自家用車の普及に伴い、多くの人が訪れ危険な山に入る事を危惧し、湯源地から離れた場所でこの湯を汲める「お湯汲み場」を造ったところ、予想していた以上の人々が訪れ、ポリタンクに湯を汲みながら「胃が悪かった」、「血圧が高かった」、「心臓が悪かった」などと話し、「この湯で良くなった」口々に語り合うのをよく耳にしたそうです。
 それならと、浴場、湯治長屋を造ると利用者は毎日「きりしま」の湯に入り、「きりしま」を飲む事で「病院で一進一退無かったのに検査結果が良かったよ」とか「腰が」、「脚が」良くなったなど多くの方に喜んで頂いたそうです。
 当時は、「水を買う」という習慣は日本にありませんでしたが、成分を調べてみるとゲルマニウムやマグネシウム、ケイ素などのミネラルを豊富に含む良質な水である事が分かり、鹿児島県で一番最初に水を商品として登録したのが「きりしま」でした。

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